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kobo touch

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Sonyのリーダーや、SHARPのガラパゴスなど混沌としていた電子ブック市場。amazonのKindleと、楽天の(買収した会社の)kobo が日本市場参入を発表してから、いよいよ本格的に普及するかと期待していたのだが、そのkoboが Kindle に先手を打つ形で7/19にリリースを発表したので、予約し、早速入手した。
結論から書くと、少しリリース時期を急いだ感が否めない。少なくとも現時点では、万人向けとは言えない。

まず購入に先立ち、電子ブックに期待していたこと、即ち購入の判断材料は
・ハードウェアのコスト・ストレスフリー
・コンテンツの量・質
の2項目×2点の4つである。

まずハードウェアのコスト。いくら利便性や先進性に惹かれるとはいえ、あくまでも本を読むツールでしかないので手軽に扱える価格が第一である。その点、7980円と十分安価である。しかも事前予約で購入した場合、最大楽天のポイントが3000ポイント付与されるので、実質5000円を切るので申し分ない(実際、コンテンツが発表されていないので正直不安もあったのに事前予約で購入した、最大の理由である)。

次に ストレスフリー だが、これはいかに紙の代替となりうるか、即ち自然に本を読め、利便性が増すか。こればっかりは使ってみないと何とも言えない点であった。事前に入手できた情報としては仕様のみが判断材料となるが、Kindleと同様にE-inkを使用しており、視認性は良い。バッテリの持ち時間はKindleよりは短いものの1ヶ月と申し分ない。また、KindleにはないmicroSDのスロットもあり、拡張性も考慮されているので、より大量の本を持ち歩ける。

2点目のコンテンツの量・質だが、これは言わずもがな、ハードウェアが欲しいのではなく、あくまでも中身が重要なのである。koboはもともとカナダの会社のもので洋書は240万冊あるのだが、和書は当初3万冊という数の発表のみ。タイトルはおろか、出版社名すら事前に発表されていなかったので、事前予約はある意味賭けでもあった(正直、前述のポイントがなければ様子見だっただろう)。

そんなこんなで発売日当日の19日、予約していたkoboが送られてきた。
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Appleのパッケージをかなり意識しているのが見て取れる。箱の表、裏はkobo本体の色と連動している。

手に取った感想は、大きさ、重さとも申し分ないの一言。文庫本1冊よりも手軽に持ち歩ける。これで、ハードカバーの本を持ち歩かなくて済むようになり、また専門書の類をいつでも持ち歩けるようになったら、と期待で胸躍る。質感も、さほど安っぽさは感じず。つや消しのラバーコートされており、滑って落とす危険性も低減してくれそうである(ただ、指の油分によるてかりなど、経年変化も目立ちそうではある)。

さて、最初のアクティベーション時のみPCが必要とのことで、専用アプリケーションをダウンロード。接続して登録やらなにやらやるのだが・・・まずここで当初の判断基準の1つ、ストレスフリーに黄色信号がともる。ソフトが遅い、アクティベーションの登録がなかなか先に進まない、よくわからないエラーでやり直しさせられる、できたと思ったら無線LANが繋がらなくなってうんともすんとも言わず、初期化してやり直す羽目になったり。amazonのKindleが、当初から高齢者にも受け入れられていたのが成功要因の1つと考えているが、こちらはそう言う意味で使用者をITリテラシーと精神的な耐久力で選別する(遅い、エラーはサービス当初故、キャパシティオーバーなのかもしれない)。

次にコンテンツだが、予想以上にがっかりだった。まず量が少ない。とても和書は3万冊ない(青空文庫含め、18,000冊程度)。そしてその内容も、良くわからない(=おたくっぽい)2次元のアニメがやたら多く、トップセラーになっている本は皆無、値段も本体のような戦略的な価格付けがなされておらず、とても選べるようなものではない(出版社との版権問題などもあるのだろうが、少なくとも利用者からすれば、現状ではコンテンツを売れない電子ブックはそれ相応の価格が望ましい)。ついでにkoboイーブックストアについても勝手を言うと、遅い。なんとか我慢していろいろ見るも、分類がひどい。キッズ・ティーンズは2次元アニメか、洋書である。また、和書・洋書をミックスするくらいなら、せっかくある楽天Booksと統合して欲しいところ。amazon.comのように、現物の本の新品・中古と電子ブックを1つで比較、購入先を選べるのが理想である。

以上より、最初に述べた結論通り、まだまだ発展途上である現状で購入を薦められるのは、
・洋書を読む(数、質共に申し分ない)
・青空文庫を読む(でも中古本でも十分な気が、決定打にはならない)
・自炊したもの、PDFを読む(但し、本体のサイズが小さいこともあってスクロールが必要となるので、iPadなどとのポジショニングが難しい)
・ただ新しいモノ好き
に該当する人くらいだろうか。