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ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
三谷宏治

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-09-18
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ビジネスモデルを解説する書は枚挙に暇がないが、本書は歴史観点から考察しながらも、一話ごとに完結し読み物として独立しているのがいい。1400年代の金融概念から、1900年代に入って誕生したトラベラーズチェック、20世紀のジレットモデルや、コンピュータのIBMによる水平分業、任天堂、21世紀に入ってAppleの垂直分業、フリーミアム(そろそろ衰退しているが・・・・)とコンテンツは「全史」と言うにふさわしい。

難点は、価格か。厚みはあるものの空白部分の多い本書は、3000円を超える価格が妥当か迷うところ。欲を言えば、学生でも買える2000円以下が好ましいと感じる(本書はその厚みゆえ、Kindle等の電子書籍の方が利便性が高い)。
老人たちの裏社会老人たちの裏社会
新郷 由起

宝島社 2015-02-10
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既に件数は未成年よりも多くなっている高齢者による犯罪。本書はそんな実態を、万引き、ストーカー、暴行・DV、売春、ホームレス、孤立死(後ろ2つは犯罪ではないが・・・)の事例を生々しく記す。

社会を引退し、孤立していくことで精神的な変化をもたらすのだろうか。いままで全うに生きていたはずの人々による、奇行は目を覆うばかり。本書は解決策まで言及していないが、思うに、人生として”暇”の使い方がいかに重要か。しか現役時代からいかにるに趣味であり、教養を身につけておくかということだろう。

『教養とは自分一人で時間を潰す能力のことである』中島らも
じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路 (単行本)じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路 (単行本)
ロバート スキデルスキー エドワード スキデルスキー 村井 章子

筑摩書房 2014-09-03
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幸せと経済的豊かさはの関係は古くからの議論であるが、タイトルの通り充分に豊かになった先には何が正しいのかを問う。経済が成長していれば未来は今よりも豊かになることは自明であり、努力が即ち幸せに直結する。しかし成熟した資本主義経済では、がむしゃらにがんばらなくても不自由することはなく、むしろ努力したところで結果に繋がらない、閉塞感すらある。ゆとり世代という言葉が言われて久しいが、豊かさの定義を考えさせられる1冊。

経済学で有名なケインズだが、彼は経済成長によって効率的になることで労働時間は減少してゆくと予想していたことが興味深い。実際問題、労働時間は増えているのだが。エンデのモモではないのだが、何が人々を労働に駆り立てるのか、またその結果、失っているモノは何なのか。著者によれば、幸せに繋がる価値として健康、安定、尊敬、人格(自己確立)、自然との調和、友情、余暇を説く。

忙しい日々を過ごす時だからこそ、一言一言が心に染みて考えさせられる。一方、当たり前だが労働を軽視して経済的な自由がなければ、安定や健康、自己確立などは成立しないのも自明だろう。結局の所、ポートフォリオ的なバランスという事に落ち着くのだろう。
「学力」の経済学「学力」の経済学
中室 牧子

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015-06-18
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教育の科学とも言うべき1冊。データに基づいて効果のある教育の仕方を説く。教育の世界に限らないが、憶測や主観で判断される議論は不毛以外の何ものでもないが、悲しいかな、日本の教育の世界では未だにそれが主流である。本書ではゲームの影響、褒めることや少人数学級の是非などの論点を、主にアメリカの研究成果(うらやましいことに、向こうでは30年単位で追跡した実験結果がある)から方向性を導く。

親はもちろん、教育関連に関わる行政、政治家の方々にも(僭越ながら)ぜひ読んで頂きたい一冊。
史上最大の決断---「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ史上最大の決断---「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ
野中 郁次郎 荻野 進介

ダイヤモンド社 2014-05-30
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ノルマンディ上陸作戦が如何に計画され、実行されたか。連合軍側、ドイツ側、それぞれの視点から描くのは「失敗の本質」「戦略の本質」の野中郁次郎氏といことで、読む前から否が応でも期待は高まる。

アメリカを巻き込んだチャーチルの話も興味深いが、本書では特に連合国派遣軍最高司令官となったドワイト・D・アイゼンハワーにスポットが当てられている。偉大なる平凡な人という言葉が似合いそう、圧倒的なカリスマ性が会ったわけではないが、軍事知識、哲学思想、人間性などバランス良く持ち合わせていたことがわかる。

自分からどんどん勉強する子になる方法自分からどんどん勉強する子になる方法
杉渕 鐵良

すばる舎 2015-02-19
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小学生から中学生くらいの子供を持つ親を対象に、どのようにすれば子供が勉強に興味を持つか、自らやるようになるのか。子供が勉強をやらずにTVゲームなどに傾倒するのはそもそも勉強が楽しくないので、楽しくする方法を具体的に説く。

ポイントは、

・何より興味を持つ必要があり、ゲーム形式や親と一緒にやるなど、楽しい仕組みを作る。
・勉強した時間よりも集中に重きを置き、細切れで行う。最初は1分でも構わない。
・スポーツと同様、考えなくても手が覚えるよう繰り返しやる、勉強につまずいたら中学生でも小1レベルに戻るなど、基礎力を重視。

とある。小生は子供の集中力や自発力に興味を持ったのだが、親自身もいっしょにやるべきという指摘には十分できていないと反省するとともに、最近できていない自分の学習に対しても、細切れ時間や反復などは考えさせられた。


ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)
ジョン グレイ John Gray

三笠書房 2001-05
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男女の思考法が異なるのは、そもそも別の星の人間だから---タイトルは言い得て妙。もっとも、あくまでも例えであり、内容は至極まっとう。異なる考え方、イライラするポイントを、チェックリストを交えつつ解説する。冷静に読めばその通り、中には笑ってしまうような内容もあるのだが、いざその場面で居たときに適切な対応を取れるか。男も女も、読んでおいて損はない---いや、ぜひ読むべき一冊。
新装版 播磨灘物語(4) (講談社文庫)新装版 播磨灘物語(4) (講談社文庫)
司馬 遼太郎

講談社 2004-01-16
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信長の死去、秀吉を天下人として樹立するため扮装する黒田官兵衛。しかし、その後の扱いは、官兵衛の能力に対する嫉妬か、単に考えの違いか、優遇されることはなく隠居する。
秀吉の崩御の後、九州から天下を狙うも、関ヶ原はあっという間に終結する。歴史小説故の、儚さ。
新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)
司馬 遼太郎

講談社 2004-01-16
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信長に裏切ったと誤解された官兵衛は、捕らえられ牢獄に幽閉されてしまう。出る頃には体に障害を負い、親しかった半兵衛は亡くなり、半兵衛は身も心も大きく変遷していた。本巻は、登場人物の疑心暗鬼がよく出ており、それらがかみ合ってドラマをなしている。

無実によって幽閉されただけでなく、半兵衛の機転が無ければ子供も殺されていたにも関わらず、怒りへ昇華しない官兵衛の人間性というか、時代性は、今の人間にとっては理解できないものがある。
新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)
司馬 遼太郎

講談社 2004-01-16
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信長に謁見、紹介された秀吉との協力関係が始まる。毛利側への工作、未だ小国に拘る主人の小寺藤兵衛との関係。全てが薄氷の上でなされる緊張感が、読む者にも伝わってくる。
新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)
司馬 遼太郎

講談社 2004-01-16
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NHK大河ドラマで有名になった黒田官兵衛の伝記。1巻では黒田官兵衛の祖父から登場、父が播州小寺家に伝えるあたりから物語は始まる。世は信長の台頭により、官兵衛も一国に収まらず動き出すのだが、決して自分が天下をとる矢面に立たないおかしさ。
親が反対しても、子供はやる親が反対しても、子供はやる
大前 研一

PHP研究所 2007-12-07
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自身2人の息子を持つ大前研一氏。その独特かつ自由な子育て論は、経営コンサルタントとしての大前氏と同様、斬新かつ本質をついている。特に変化の早い時代では、先生(=先に生まれた人)の意義は知識を教えることから、一緒に考える人という言葉は、親にも当てはまる。

一方で、受験勉強など詰め込み教育には反対だが現段階で人物を評価するもっとも公平な手段である以上(それに引き替え、A.O.入試の散々たる結果は言うに及ばず)、子供にはTVゲームやらせよ(注:息子の一人はTVゲームに関わる会社で働く)という主張は、万人向けのメッセージとしては疑問がある。
CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できるCIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる
J.C.カールソン 佐藤 優

東洋経済新報社 2014-06-27
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人心掌握、交渉など、CIAの技術を限りなく普遍化して抽出されており、通常のビジネス書として読める。CIAの逸話も所々内包されており、そうしたスパイものを好む人にも楽しめる。
やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~
ハイディ・グラント・ハルバーソン 児島 修

大和書房 2013-09-20
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人間が変わるには人や環境、時間配分を変えるのが有効で、決意するというのは最も無意味とは大前研一氏の言葉だが、三日坊主というように意志力ほど脆いものはない。得てして精神論になりがちな分野において、本書では理論的に自らをコントロールする術を説く。

ゴールを目指すには「なぜ」という理由を考えるとともに、モチベーションの種類や、嗜好のパターンにあった対処が必要とのこと。よくある楽観主義一辺倒ではなく、悲観論の良さや悲観的な思考に適したアドバイスがあるのも好感。
革新的なアイデアがザクザク生まれる 発想フレームワーク55革新的なアイデアがザクザク生まれる 発想フレームワーク55
永田 豊志

ソフトバンククリエイティブ 2009-06-27
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アイデアは右脳が重要であり、ヒラメキや芸術センスがない人間には無縁のもの・・・という考えは多い(正直に言おう、かつては自分もそうだった)。

かつて、フェラーリや新幹線などをデザインされた奥山清行の話を聞いた時にも感銘を受けたことだが、アイデアとはある日ポッと沸いて出るわけではなく、そこに至るための思考というプロセスがあり、そのためのテクニック(の一部)が本書に掲載されている。
[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術
永田 豊志

KADOKAWA/中経出版 2014-01-28
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図解のものごとをなぜ図解する必要があるのか、その目的や意義から、技術、そして習得するためのアドバイスまでおりこまれている。この類の本は理解するのと実践できるのには大きな壁があるが、本書でもとにかく実践の必要性を説く。
技術面では、基本として四角と矢印から始まり、フレームワークやアイコンといったTips的なものまで書かれており、シンプルな中にも奥深い内容が盛り込まれている。
すべての勉強は、「図」!でうまくいく: 今までの10倍「記憶力」「思考力」が強くなるすべての勉強は、「図」!でうまくいく: 今までの10倍「記憶力」「思考力」が強くなる
永田 豊志

三笠書房 2012-09-28
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図形の基本的な考え方や初歩的な技術中心ながら、論理的な考え方やフレームワークも盛り込まれている。図解・フレームワークなどに関する本は幾多もあるが、本書はそれをタイトルにある通り「勉強」に活かす方法が斬新。

情報を捨てるセンス 選ぶ技術情報を捨てるセンス 選ぶ技術
ノリーナ・ハーツ 中西 真雄美

講談社 2014-07-18
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"2008年に私たちが消費した情報量は1960年代の3倍。それが、2020年には現在の44倍になる見通し"
衝撃的な内容だが、人間の限界を超えて情報は増え続ける(同じように、英単語もシェークスピアの時代から○倍とか、医学の知識が□倍という話は多い)。知恵とは、記憶している情報量によっていたものが、どのように情報を収集・加工・出力できるかが問われることになるだろう。本書は、氾濫する情報の処理について、10の概念を示す。

人間の錯覚を理解し、情報発信者の意図や誘導を如何に見抜くか。10のステップ(テーマ)で具体例や対策、最後にサマリーされているので、わかりやすい。一方、各ステップもエモーショナルなタイトル(例えば、「言葉の力にあやつられていないか?」など)がつけられており、この段階で感銘をうけるような人は、結局は本書も含めて、他人の情報に操られるだけでは?と思う。
再び消されかけた男 (新潮文庫)再び消されかけた男 (新潮文庫)
フリーマントル 稲葉 明雄

新潮社 1981-10
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前回、チャーリーにはめられた英米の両情報機関が、チャーリーに復讐をしかける。 前回チャーリーが奪ったお金を奪われ、チャーリー自身の失策で追い詰められていくが・・・

絶対的なヒーローではなく、酒に溺れだらしないながらも知的で人間味のあるマーフィ-、妻の存在、、敵を翻弄する爽快感・・・娯楽小説としては面白いのだが、前作の結末があまりに衝撃的だったがために、本作はかすんで見えた。
プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術
永田 豊志

KADOKAWA 2014-05
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初めてプレゼン資料を作成するとなると、自分もそうだったが、ついPowerPointに箇条書きから始めてしまう。まずは”考える”と言われるが、では何をどのように考えればいいのか。また、なぜつまらない・眠くなるプレゼンとなるのか。本書はそのような問いに対し、シンプルに、わかりやすく解を示す。

基本の型、現状と将来を示し、その間を埋めるのが提案というシンプルな図式で、何度も表す。そして言葉こそ出さないが、演繹法・帰納法を盛り込みながら、いかに内容を濃くするかが図示される(この、図で示すというのがわかりやすさのポイントだろう)。

後半では時間配分やスライドの基本的な型、スケジュールなどの表現の仕方から、アイデアの出し方まで満載。
ランニングの作法 ゼロからフルマラソン完走を目指す75の知恵 (ソフトバンク新書)ランニングの作法 ゼロからフルマラソン完走を目指す75の知恵 (ソフトバンク新書)
中野 ジェームズ 修一

ソフトバンククリエイティブ 2009-09-17
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もともと膝が弱いのでランニング、とくにアスファルトでは避けていたのだが、CW-X(末尾参照)を試してみたところすごく調子良く、5km30分程度で始めた。1年程度で10km50分、月100km程度を続くようになりゆくゆくはフルマラソンもなどと考えていたところ膝を痛めてしまい、素人判断だけの限界を感じて本書を手に取ってみる。

結論は・・・”故障せず楽しく長く続ける”というコンセプト、そしてそれを実現するための練習から食事、道具まで、参考になることだらけだった。型から入るのは苦手で特に走るだけだからと軽く見ていたが、ランニングと言えど如何に深いか、発見だらけだった。これからランニングしてみようという方は、自分のように怪我をする前に、ぜひ読んでおきたい1冊。
BR<> 余談ながら、シューズは600km走ったら交換と書かれていて勿体ない気がしたが、実際自分の靴を見るとかなり片減りしていること気付かされた(これはこれで別の問題だが)。

CW-X、当初購入したのはエキスパートモデル。なかなかないが、たまたまamazonで5,000円に下がったときに購入。
(シーダブリュエックス)CW-X ワコール| エキスパートモデル(ロング) メンズ HXO509(シーダブリュエックス)CW-X ワコール| エキスパートモデル(ロング) メンズ HXO509

CW-X(シーダブリュエックス) 2011-03-22
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その後、破れたため上位モデルのジェネレータモデルを購入。上記よりも、腰回りもしっかりホールドされていい感じ。
(シーダブリューエックス)CW-X ジェネレーターモデル(ロングタイプ)(シーダブリューエックス)CW-X ジェネレーターモデル(ロングタイプ)

CW-X(シーダブリューエックス) 2014-07-19
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消されかけた男 (新潮文庫)消されかけた男 (新潮文庫)
ブライアン フリーマントル 稲葉 明雄

新潮社 1979-04-30
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冴えない中年が主人公という点で異色なスパイ小説。チャーリー・マフィン(名前からして道化のよう)は英国情報部で窓際の存在だが、その実力は歴戦を生き抜いてきただけあり確か。組織はそんな彼を厄介者扱いする。そんな中、ソ連の大物が亡命を希望してきた。米英の情報部が浮き足経つ中、チャーリーだけは警告を発していたのだが・・・。

ここから先はぜひ、本書を読んでほしい。幾重にも張られていた伏線、予想外の展開に驚きを隠せない。

余談だが、昔の本は字が小さい。老眼ではないのだが、昨今の本、特にやたら字が大きい入門書の類に慣れていると、ちょっとしんどい。
憲法改正のオモテとウラ (講談社現代新書)憲法改正のオモテとウラ (講談社現代新書)
舛添 要一

講談社 2014-02-19
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巷で憲法改正反対という声を上げる方々、またそれを聞く我々は、どれだけ日本国憲法を把握されているのだろう。正直、私は高校かそこいらでちらっと出てきた以外、無知だった。本書は、2005年10月に自民党が出した改正の第一次草案(安倍首相ではなく、小泉首相の時代)に関わった桝添要一氏による、タイトルの通りオモテとウラを明かす。

日本国憲法がどのような内容で、今は何が問題で、どのように変えようとしたのか。諸外国との比較から、議員間の対立、生々しい妥協の経緯、郵政民営化法案の問題で憲法改正が頓挫していく様がありありと書かれている。特に妥協、よく言えば政治的な調整は、あくまでも政治家の論理であると痛感させられる。

日本人なら、ぜひ目を通しておきたい1冊。
次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則
アル・ピタンパリ 阿部川久広

すばる舎 2013-02-16
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効率的な会議の推進のためにどのようにすべきか。意見交換や情報共有など、会議で行われることは多々あるが、本書では会議を決定の場、アクションプランを出す場と言明する。

原則とは、意志決定をする、時間通り、出席者を制限、準備不足を許さない、アクションプランを創り出す、情報はシェアせず資料には事前に目を通す、ブレインストーミングを併用する、の7つ。準備を怠らない、時間通りなど、(できているかは別にして)誰もが意識するだろう事から、出席者を制限のように人(会社)によってはカルチャーショックとなるものもある。サブタイトルに”原則”とあるが、最後のブレインストーミングなどはどちらかというとTips集に感じる。

本自体は非常に文章が少なく、ものの30分もあれば読み終えられる。
大統領のリーダーシップ大統領のリーダーシップ
ジョセフ・S. ナイ Jr.,Joseph S. Nye

東洋経済新報社 2014-10-17
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リーダーシップの方を変革型/取引型、鼓舞型/漸進型に区分し、歴代の大統領をその4象限で整理して、どのようなタイプの大統領が合衆国の進展に貢献したか、各大統領の特徴や主な政策と共に分析する。

本書の主張は、一般的に思われるような変革型・鼓舞型、いわゆる「ひっぱっていく」タイプのリーダーが必ずしも優れた結果を残したわけではないと言うこと。非常に参考になったのは、シニアブッシュは一切ビジョンを示さず、改革をしなかったが、着実に結果を残していたと言うこと。変革・鼓舞という私自身が苦手なタイプを無理に目指さなくても良いと、少し自身を得た。
情報を捨てるセンス 選ぶ技術情報を捨てるセンス 選ぶ技術
ノリーナ・ハーツ 中西 真雄美

講談社 2014-07-18
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タイトルから情報の取捨選択ノウハウと思ってみたが、どちらかというと意志判断の話である。人の意志決定が如何に当てにならないか、それ故どのように気をつけるべきか。実際、本書の大部分は誤認や誤解の例がたくさん掲載されている。

一方で、何を持って誤りとするかの根拠が希薄な感が否めない。3.11の日本政府のことを一方的に書いているが、稚拙だった点はともかく、何を持って悪意があったと判断されたのか疑問が残る。

ネタ的には読みやすいし面白いが、この手の本、人間の判断に関するファスト&スローが王道だろう。
ワイルド・ソウル〈下〉 (新潮文庫)ワイルド・ソウル〈下〉 (新潮文庫)
垣根 涼介

新潮社 2009-10-28
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上巻からの流れが一気にスピードアップ。復讐の計画自体は隠されたまま物語は進むため、読む者の(言葉は悪いが)期待感を高める。また、復讐を計画する野口ケイイチと女子アナ井上貴子の関係など人間模様もワクワクさせられる。

ネタバレとなるので詳細は控えるが、復讐という言葉ながら重さを感じさせず、最後まで爽快感でいっぱいだった。一方、少しスケールダウンというか、拍子抜けしたのは自分だけだろうか?
ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)
垣根 涼介

新潮社 2009-10-28
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戦後の日本政府による稚拙な移住政策により、成功を夢見て移住した人々。約束された内容とは運電の差がある未開の地で、過酷な生活を強いられるさまが描かれる。そして時は流れ、現代へ。妻や兄弟を失いつつも成功した衛藤、同じ移住仲間の息子野口ケイイチなどとともに、日本政府への復讐を計画する。

重いテーマでありながら、壮大なスケール感と壮快なテンポで非常に読みやすい。
幸せはガンがくれた―心が治した12人の記録幸せはガンがくれた―心が治した12人の記録
川竹 文夫

創元社 1995-04
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本書を読んだ感想は、癌患者や家族に希望を与えてくれる一方、非常に危険性をはらむということ。登場する人物はいずれも癌を前向きに捉え、克服してきた人ばかり。治療するも放置するも、基本は本人の意志できめるべき事項だと思うが、それは正確な判断材料があっての話。どれだけの母数を確認されたのかしらないが、一部の例を出し、あたかもそれが王道のように書かれるのは、人々に誤ったシグナルを発することにならないだろうか---近藤誠先生のように。

全体的に、印象操作が強いと感じる。例えば、癌に対して気持ちが折れなかった人の方が生存率が高いと図示している箇所もあるが、一般的に患者は「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」というステップを踏むと言われているのにその説明がなく、どの段階のことを言われているのかわからない。
「感染症パニック」を防げ!  リスク・コミュニケーション入門 (光文社新書)「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門 (光文社新書)
岩田 健太郎

光文社 2014-11-13
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3.11の原発・放射能問題を筆頭に、最近ではデング熱やエボラなど、人々はリスクに対して印象で過度に恐れたり無視することが多々ある。著者は、正しくリスクを認識し、対処するように説く。

SFTSのように日本ではほとんど報道されないながら、対処方法がなく実際に死者も多数出ているなど、エボラよりもよっぽど恐れるべきことがあるなど、如何にリスクに対する考えが印象で左右されているか思い知る。一方、本社は副題にもあるとおり発信者側に向けて書かれたものなのだろう。聴講側として読んでいると、効果的なプレゼンの仕方など、ちょっと意図していない内容もあった。

以下、興味深かった点を備忘録がてら記載。

・1950年には、医学知識が倍になるのに50年かかりましたが、2020年には、これがたったの73日になっています。
エイズを弄ぶ人々 疑似科学と陰謀説が招いた人類の悲劇エイズを弄ぶ人々 疑似科学と陰謀説が招いた人類の悲劇
S. C. Kalichman 野中香方子

化学同人 2011-01-29
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本書で、世にはエイズ否認主義というものがあることを知る。具体的には、HIVはエイズの原因ではない、エイズは環境要因(貧困や麻薬・同性愛などの非道徳)によるという。現代の日本ではエイズに対する偏見や無知はあまりないと思うが、否認主義者が著名な科学者やジャーナリスト、政治家におり、その結果、適切な治療を受けずに亡くなる人がいる。著者はそうした人災に対する問題提起、憤りによってペンをとった。

これを読んで思い出すのが、今でも年間1mSvに拘り避難生活を続ける福島。チェルノブイリでも、避難生活によるストレスの弊害が問題視されていたが、美味しんぼの作者、雁屋哲氏などのように未だ放射能の害を非科学的に延べることで別の、より大きい害を与えている人の罪は重い。
BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
クリストファー・マクドゥーガル 近藤 隆文

日本放送出版協会 2010-02-23
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ランニングの書としては秀逸、小説としては駄作。特に、前半の部分は読み進めるのが非常に辛いので、ランニングについて何かしらの示唆を得たいと思っている人は、どんどん読み飛ばすことを薦める。

そのランニングについては、目から鱗が落ちる話がいろいろあり、示唆に富む。

・保護機能(高いクッション性、プロネーション矯正)がついた高価なランニングシューズを履く者は、安価な(40ドル未満の)シューズを履くランナーよりもけがをする頻度が著しく大きい
・一般的に馬が全力で走ったときの速度は、毎秒7.7mである。そのペースを維持できるのは約10分間で、その後は毎秒5.8mに減速しなければならない。だが、一流のマラソン走者は毎秒6mの速さで何時間もジョグできる。スタートで馬に引き離されてとしても、忍耐力と距離さえあれば、徐々に差をつめることは可能だ。
・人は歳をとるから走るのをやめるのではない。走るのをやめるから歳をとるのだ。
エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)
河邑 厚徳 グループ現代

講談社 2011-03-22
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「はてしない物語(Never Ending Story)」や「モモ」の作者、ミヒャエル・エンデの晩年に考えていたお金の本質を、インタビュー内容を基にした書籍。

お金の用途が物品交換の手段と、資産として言わばゲームと2種類あることを問題視する。ピケティの「21世紀の資本論」で実証された、お金が利子を生むことで格差が拡大することを問題提起し、思想家シルビオ・ゲゼルが述べた老化する(減価する)お金など、ユニークな解決方法を提唱する。
思想は非常に共感する一方、成功例は狭いコミュニティの話で有り、グローバルになれば、例え減価するお金を導入しても別の商品へ資産・資本が流れるだけではないかと感じる。一方で、大前研一氏も述べていたが、資産税は有効なのではないだろうか。
今日から使える大人の男のオシャレ塾―男性ファッションの「そもそもどうしたらいいのか?」がわかる今日から使える大人の男のオシャレ塾―男性ファッションの「そもそもどうしたらいいのか?」がわかる
Hankyu Men's

主婦の友社 2012-12-14
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対象年齢は20~40代だろうか。
オン・オフそれぞれ写真付きで解説していて、基本的なスーツスタイルを解説する一方、オフは40代以降を想定していると思われる。一方、その年代にとってスーツの話はほとんど既知で有り、オンで解説するならせいぜいジャケパンやオフィスカジュアルなどを求めているのではないだろうか。

男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない」もそうだが、この手の本でオンとオフを一緒くたにするのは少し無理ある気がする。
パラダイムの魔力 新装版パラダイムの魔力 新装版
ジョエル バーカー 内田 和成(序文)

日経BP社 2014-04-16
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本書の初刊は1995年、つまり20年も前の本だが、全くもって古さを感じさせない。序文で内田和成氏が述べているとおり、普遍的な理論を述べているので、決して色褪せずにいつまでも参考になるのだろう。

イノベーションに必要なパラダイムシフト(=ルール変更)がいつ起こるのか、どのように起こるのかを、ケーススタディと共に解説する。知識があり頭が固い人が故に古いルールに縛られ、イノベーションを起こせずにいる。日本企業に抜かれたアメリカ企業のために書かれていると思われるが、今では電機始めグローバル市場に入り込めず苦戦する日本企業にそっくりそのまま当てはまる。

知識ではなく気づきを、考えるヒントを書いているので、冒頭の通り色褪せずにいるのだろう。
レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理
デビッド・C・ロバートソン ビル・ブリーン 黒輪 篤嗣

日本経済新聞出版社 2014-05-22
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私自身、80年代にこよなく愛したレゴのストーリー。今でこそレゴショップをアウトレットモールでも見かけ、変わらぬ姿を見せるが、90~2000年代初頭にかけて経営危機に瀕していたことは驚愕。レゴブロックの著作権失効、デジタルの台頭、その時代に出していた方針ブレブレの商品群を見て納得。本書はレゴがどのように誕生して有名になったか、そしてどのように危機を乗り越えたが綿密に記されている。

レゴの本質とは何か?レゴが問い続けた、また一時忘れてしまった重要な要素はまさにこの一言に過ぎる。著作権が切れたことで安い同等製品が氾濫し、子供達はTVゲームなどに夢中でブロックは古い遊びになることで、レゴは迷いが出始める。さらにコストを意識しない開発やレゴランド、ショップの展開などでレゴは2003年頃には瀕死の重体になっていた。

そんな中、想像する喜びやストーリー性の追求、子供が何に興味を持つかという現場主体によるリサーチなどによって、劇的な復活を果たす。副題にもある、7つのイノベーションとは、レゴが復活するために成し遂げてきたことを記している。

本書を読んで、レゴショップを訪れたら、またレゴで遊びたくなった。
侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)
呉 善花

文藝春秋 2014-01-20
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従軍慰安婦に始まり、朴槿恵大統領の「1000年の恨み」のように、なぜ韓国の人々はあそこまで嫌日を通り越して侮日という態度を取るのか。本書は元・韓国人で元々は日本を下に見ていたというだけあり、客観的に本質を洞察している。

事実や論理的な話が通じず、日本や親日家に対して法治国家とは思えない対応をとるのも、日本は中国、つまり世界の中心から韓国よりも離れた野蛮でレベルの低い民族という価値観が韓国人にはあるというところから納得。また、後半では文化や価値観の違い、例えば日本人のマナーとされる、脱いだ靴の向きを変えることや食事中に音を立てずに食べること、また知人同士でも適度な距離感を持つことが、韓国の人々にとっては不快に感じると言うことから、多大な誤解を生んでいることも紹介する。
一方で、第二次大戦中の朝鮮併合時も、当時の状況を知る人々は日本を恨んでおらず好意的に考えているというところなど、日本人として自虐的な歴史ばかりを目にする中でハッとさせられる。

日韓問題を、韓国の嫌日の理由を、客観的に考えてみる機会にしたい。
陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)
さいき まこ

秋田書店 2013-12-16
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ニュース一般では、不正受給などネガティブな扱いが多い生活保護。また、受給者に対しても働かない、怠けているという偏見も少なからずあるのだろう。※私自身は、身近に受給者がおらず、推測の域を出ていないが。本書は、生活保護がちょっとしたきっかけで誰でもなりえること、社会のセーフティネットとして必要なこと、受給者は決して怠け者ではなく、また不正受給など悪事を働く人はほんのごく少数に過ぎないことを漫画で紹介する。

反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)
吉岡 友治

筑摩書房 2014-09-08
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前半は、世界共通で議論に必要な問題→根拠→解決/主張の三段構造を解説する。後半は、二項対立から議論の質を上げる弁証法に重点を置く。最初は音階が異なる世界の音楽に対する2人の意見相違を例に、後半はカントやアーレント、ミヒャエル・エンデなどを出しながら対話(禅の問答の世界に近い印象)が展開される。
男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない
森岡 弘

講談社 2011-05-31
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方程式と言うだけ有り、オン・オフそれぞれで守るべき鉄則を解説する。最後には、シーン別のコーディネートサンプルを写真付きで掲載しており、イメージしやすい。

オンは基本的なルールが載っており、社会に出てそれなりの年数が出ている人間なら知っていることがほとんどだろう。それに対して、難しいのがオフ。若いうちはそれこそTシャツ1枚でも様になるが、中年以降はそれも難しい。かといって下手にポロシャツなど着ても、ゴルフスタイルになりがちだろう。

全体的にわかりやすく、法則ごと(方程式と言うよりは、個々のルールを掲載しているのでこちらの言葉を使わせて頂く)に写真付きで簡潔に解説されておりわかりやすい。一方、オフに限って言えば、チェックやパステルカラーのシャツを紹介しており、実際に着ている写真がないので痛いおじさんをイメージしてしまった。オフに限って言えば、「男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない」の方が万人向けだと感じる。

本日の1冊: 自助論

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自助論自助論

パンローリング株式会社 2013-06-30
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電子書籍専用Version。はっきり言って、この価格(¥270)は非常に魅力的。古典の名著だけに、一家に1冊(一Kindleに1冊?)したい。

ヨーロッパ、特にイギリスで成功した発明家や芸術家、実業家など様々な人々を紹介し、人生の重要な素質は才能や生まれた環境ではなく、努力や忍耐力、集中力といった本人の資質であることを説く。どの時代も自己啓発本はあるが、歴史に裏付けられたストーリーだけに興味深い。

個人的には、日常で使用しているコーヒーカップのブランド、WEDGWOOD ウェッジウッドのストーリーが興味深かった。
戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)
大原 まり子

早川書房 2000-02
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SFとはいうが、ファンタジー要素が強い。異なった世界の短編集であるが、どれもイメージ力が働かないと難しい。日本SF大賞というが。。。好みの問題だろうが、正直とっつきにくい。
ロジカル・セリング ―最強の法人営業 (BEST SOLUTION)ロジカル・セリング ―最強の法人営業 (BEST SOLUTION)
近藤敬 斎藤岳

東洋経済新報社 2010-11-26
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「営業」を語るにあたり、体力・気合い・根性論的なものはさすがにナンセンスだが、ここまでロジカルに書かれた本をみたことがなかった。成約というゴールへ至るまでに超えなければいけない2つの壁「悩みの壁」「人の壁」、具体的には「顧客の根本的な悩みは何か」と「キーパーソンは誰なのか」という情報を探るためのノウハウが、ロジカルに説明されている。

本書で解説されているテクニックを練習するための題材として、実際の商談をベースにした問題も掲載。営業としてのスキルアップはもとより、受注に至るための仮説力と検証力を総動員するプロセスは、応用範囲が広い。
日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)
一ノ瀬 俊也

講談社 2014-01-17
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第二次大戦時、アメリカ陸軍が敵を知るために自軍兵に向けて刊行した広報誌IB(Intelligence Bulletin)を基に、日本軍とは、日本兵とは何かを探求する。 万歳突撃やロジスティクスを軽視した戦略(と呼ぶかはさておき)の稚拙さを分析した書物は、「失敗の本質」を始め枚挙に暇がない。一方、戦術や兵士そのものに迫ったものは少ない中、本書はその貴重な1冊、特に敵側からの分析は興味深い。

IBの初期は日本人とはどういう人種か、同盟国である中国人との見極め方として日本人がLとRの発音が区別できないことを紹介したり、あるいは偏見のかたまりの内容まで、笑える。しかし、時を重ねて戦争も佳境になると、日本兵の戦術や傾向、人間性、弱点など緻密に評価しているのが良くわかる。

硫黄島など末期の戦闘は物資に困窮した悲壮感ばかりの状態を想像していたが、意外にも衣服や食料に潤沢だったという。また、修練は得意なので同じ戦法を繰り返し行う事が多いが、予想外の事態に弱いなど、現代の経済でも言われていることが書かれていたりして、興味深い。
ヤノマミ (新潮文庫)ヤノマミ (新潮文庫)
国分 拓

新潮社 2013-10-28
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南米アマゾンの原生林に原初の暮らしを残すヤマノミ、彼らの元で4回計150日間に渡って暮らして記録したルポタージュ。初期は言葉もまともに通じない人間、彼らに馴染むために必要最低限の人数(著者、カメラマン、彼らの数人が多少理解するポルトガル語の通訳者)での住み込み、慣れないアマゾンの環境、病気や時には死の危険すらあり得る環境下での取材は、並ならぬ覚悟で行ったと推察する。

原初の暮らしとは言え同じ人間、怒りや笑い、悲しみといった感情は持ち合わせていることに、なぜかホッとする。著者も、暮らしはじめこそは時間を気にしていたが、やがて都会の感覚とは異なるゆったりとした時間感覚に気付いて自然の流れに任せるようになったという。しかし、彼らを知るに連れ、独特の死生観、恐ろしさを知るようになる。

夫婦の形はとるが、比較的自由な性。しかしながら現実問題として、家族が居なければ、また居たとしても夫の力量(狩りのスキル)で養える家族の数が決まる。また、障害児が生きていくのは厳しい世界において、時に母は生まれた子供を天に帰すと言う---生まれてすぐに、生かすか殺めるかを決断する。

近年はブラジルが医療や教育を提供する。医療技術の存在を知り、祈祷を施していた長老の権威お低下。お金の存在を知り、また食や生活環境の激変で太る者も出るなど、急速に独自の文化は失われているよう。文明と出会うことで、彼らは何を得、何を失うのだろう。
MAKERS―21世紀の産業革命が始まるMAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン 関美和

NHK出版 2012-10-23
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フリーミアムの概念を示した「フリー」や(読んでいないが)「ロングテール」でその優れた先見性を示したクリス・アンダーソンが、3Dプリンターなどの登場によるこれからの時代を描く。

フリーミアムも、今でこそ当たり前だが当時は半信半疑だった。と同様に、昨今、賑わいを見せている3Dプリンターも今までは新たなおもちゃ(ガジェット)程度の認識でいたのだが、本書を読んでその意味を理解した。今までは大量生産によりコストが低減されるのに対し、今後は1個作るのも100個作るのもコストに差異が少なくなるため、多種多様なものができる。単に技術の変化だけでなく、それに伴う近未来に起こる(あるいは既に起きている)社会の変革を指し示す。
夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神
水野敬也

飛鳥新社 2012-12-12
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タイトルの通り「夢をかなえるゾウ」の続編となる本書。相変わらずの神ガネーシャに、今回は貧乏神や釈迦などが今回の主人公、売れない芸人に絡むのだが・・・。

今回は前回と比べて、自己啓発というよりもストーリー性が強くなった印象。基本は前作と今回はそれぞれ独立した話なのだが、同じガネーシャを中心としたストーリーであり、前回の主人公がさりげなくちらっと登場したりするので、時間があれば続けて読んだ方が面白い。

本日の1冊: 詐欺の帝王

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詐欺の帝王 (文春新書)詐欺の帝王 (文春新書)
溝口 敦

文藝春秋 2014-06-20
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オレオレ詐欺(振り込め詐欺)の頂点にいた人物へ取材を元に、システム金融からオレオレ詐欺へ変遷した歴史、詐欺に関わる人物の素性に迫る。

本書を読んで何よりびっくりしたのは、オレオレ詐欺の頂点に立つ人物が如何に優秀かということ。決して思いつきや暴力だけで成り立っていない、むしろそれらは全く使っていないと言うこと。知識有り、カリスマ有り、論理的に考え、行動している。例えば被害にあう人物の分析に対しては、ノーベル経済学賞のダニエル・カーネマンの理論を理解した上で実践している。---だからこそ、多くの人が多額に騙され、警察に捕まるのは末端だけで決して全容に迫れないのだろう。感想は憎しみや怒り(自分や身近が被害にあっていないというのもあるが)という感情よりも、才能が勿体ないの一言に尽きる。 いる
ザ・コーチ - 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』ザ・コーチ - 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』
谷口 貴彦

プレジデント社 2009-12-10
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目標とは?目的とは?ゴールとは?夢とは?よく使うが、具体的に理解・イメージできているだろうか。本書ほど明確にこれらを明示した本は今までなかった。”朝令暮改で目標が変わる”、”目標なんか立てても意味が無い”、などなど社会人なら一度は聞いたことある(あるいは言ったことある?)と思うが、これらは、目標なんて変わるのが当然、目標だけ立てても意味が無いということとが理解できていない故だろう。

冴えない営業マンが、とある老人とのプライベートレッスンを通じて人生を取り戻す・・・一見良くあるストーリーではあるが、もし上記をはっきりと、小学生にも分かるように説明できなかったら、絶対にこの本を読んでみることを薦めたい。

僕は君たちに武器を配りたい僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史

講談社 2011-09-22
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日本は最も成功した社会主義と言われたりもするが、これから本格的な資本主義、特にグローバル経済に移行していく中で、どのような人が生き残れるか、問題提起する。

ITや英語などを必死になってもコモディティにしかなれないこと、専業主婦や住宅ローンなどを安易に選択する無謀さ、若者の就職ランキング上位企業が年月を経てどうなるか、などなど考えなしに”普通”や”みんなやっている”ことに警笛を鳴らす。その上で、今後生き残るタイプを6タイプ(その内、2タイプは将来性がないとも)を提示する。

本の内容は即効性のあるものではなく、あくまでも意識を変えるきっかけに過ぎない。”武器”というよりは”地図”や”ガイド”という、抽象的な印象を受けた。同じ著者では、「君に友だちはいらない」の方がメッセージ性を感じる。
決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)
半藤 一利

文藝春秋 2006-07
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広島、長崎を経て終戦へ向けた議論、天皇の降伏聖断。そして8月14日から15日正午の玉音放送までの緊迫した24時間を克明に(一部、史料が不十分な箇所はその旨明記有り)記す。

戦争継続派によって起こされたクーデターによって皇居を占拠されるも、ちょっとしたきっかけから玉音放送を録音したテープリールを奪われなかった偶然によって、承知の通り無事に終戦放送に至る。実は終戦も、ぎりぎりの状況でなしえた奇跡と知る。

国の存続のために降伏を決意した天皇、指導者。同じく国を憂い、降伏を翻そうとクーデターを起こした青年将校、敗戦の責任を感じて自害する阿南陸相。手段や結論としての正しさは別として、共通するのは、登場人物の日本を強く想う気持ちに、心揺さぶられる。
9割の人が間違った買い物をしている 成功している男の服選びの秘訣40 (講談社の実用BOOK)9割の人が間違った買い物をしている 成功している男の服選びの秘訣40 (講談社の実用BOOK)
宮崎 俊一

講談社 2012-12-14
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ゴルフウェアやルームウェア、Tシャツなどを着た冴えない装いを脱出するための、休日の服選びに関する1冊。著者は銀座松屋の人なので紹介される商品もそちらのものが多いけれど、基本的な主張は流行ものを追わずに万能アイテムというベーシックで良いものを数年かけて揃えようというコンセプトであり、決してお金をかけるということではないのが、好感が持てる。

チェックや柄物は非常に難しいので、白のシャツやチノパンが中心というのは、ファッション系の本としては非常に意外だった。カジュアルというと多くの人がいきなり全てを崩すからおかしい、ビジネスの装いで一部(シャツをビズポロに、またはパンツをチノパンに、など)をカジュアルにするというのは、写真を見るとなるほどという印象。また、40を過ぎたらTシャツを着ないと言うのも、汚らしく見えないようにするため理解しつつ、堅苦しいのが苦手な身としては少し難しく感じる。

サイズ感や色、コーディネートなどポイントから全体感まで幅広く書かれており、参考になることは多い。
優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方
知念 実希人

光文社 2013-11-16
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カテゴリー的にはミステリー推理小説となるのだろうか。今までにないタイプの本だった。クスッとするような呆け、サスペンスにスリルと、娯楽小説としてありとあらゆるエッセンスが織り込まれている。

ストーリーは、現世に未練を残して呪縛霊となる魂を救うべく、犬に乗り移った死に神が末期病棟で飼われることとなるところから始まる。未練が残った末期患者達の夢へ潜り込んで解決していくのだが、世代が違う患者らと病院がある共通点で繋がっていく。やがて病院の大勢が殺されることが判明、死神は自分の世界のルールを無視して彼らを救おうとするのだが。。。

舞台は末期患者の病院、登場する主要人物の大部分が、近い将来の死を運命づけられている。中にはこの人もかと、驚くような人物もいるのだが、不思議と読後感は清々としている。著者は現役のお医者さんというのも含めて、異色な1冊。
アジアを救った近代日本史講義 (PHP新書)アジアを救った近代日本史講義 (PHP新書)
渡辺 利夫

PHP研究所 2013-12-14
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拓殖大学総長・渡辺氏が、学生に行った講義をまとめた1冊。アジアを侵略した犯罪者という中国・韓国による批判や、朝日新聞のように捏造記事で日本を貶めようとする声が目立ち、自虐的な評価が目立つ近代の日本史。本書は客観的・肯定的に捉える。

小生が理解した、著者の主張は3つ。即ち、欧米に対する猛追と勤勉により日本はアジアで唯一、列強の植民地にならなかったこと。そしてアジアへの進出は、弱肉強食であった帝国主義の当時において、日本の行いは批判をうけることではなく(日本が進出しなければ他の国が進出していた)、むしろインフラ整備など現地の発展に貢献したこと。最後に、東京裁判は、それまでの国際法では合法だった行為を罰した、法の不遡及の原則から逸脱していたこと。

太平洋戦争は、アジアを救ったという大東亜戦争でもなければ、一方で日本の侵略戦争だったというのも正しくない。本書は前者に偏りすぎているが、少なくとも日本の歴史を不必要に卑下していたら、必読の一冊。
遊ぶ奴ほどよくデキる (小学館文庫)遊ぶ奴ほどよくデキる (小学館文庫)
大前 研一

小学館 2008-11-07
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人生を楽しむべきという大前研一氏のメッセージが伝わってくる1冊。クルーザー別荘、書斎などわくわくするようなネタから、散策やグルメ旅行など身近な話も多い。また、子育て論や家族について書かれており、オフ論としてビジネスマン(特に、仕事一筋になりがちな40代以降?)必読の1冊

小生自身、会社(仕事)一筋の人生を送っていないので、そのような人生を送っていると退職後に空しい時間を過ごすことになるといった危機感はまったくピンとこない。ので、共感や興味をもったポイントを備忘録がてら記す。

・仕事の利害関係の無い人と”パブ型”で飲もう。(P.155~)
・「隠れ家」を2軒持てば人生が豊かになる(P.165~)
ちょっと大人っぽい、外飲みの方法。最も、前者のパブは、日本ではパブリックビューイングなどイベントでもないと発展しないように感じたが。

・学習机というコンセプトの商品は、じつは日本にしかない。(P.189~)
雑誌「プレジデント ファミリー」でも提唱されていたが、子供の勉強はダイニングでやることを提唱する。日本では子供部屋と学習机が入学時に用意されることが多いが、これは固定観念的と感じていたので、非常に共感した。

・テレビを見ながらの食事が家庭を崩壊させる!(P.190~)
崩壊とは大げさな気もするが、団欒の場で一同が黙々とテレビを見て食事しているところは多いが、これは非常に奇妙に感じる。最も、最近は食事中のスマホも同列になるだろう---子供の食事中に、つい手に取ってしまうことがあるので自戒の意味を込めて。
夢をかなえるゾウ 文庫版夢をかなえるゾウ 文庫版
水野敬也

飛鳥新社 2011-05-20
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ゾウの姿をし、関西弁を喋る神様ガネーシャ。自分を変えたいと望む主人公の前に現れ、1日1つの課題を出す。

課題は、「靴を磨く」「トイレ掃除をする」といった身の回りのことから始まり、「人の長所を盗む」「夢を楽しく想像する」など具体的なテクニックからマインド的なものまで様々。しかし、主人公に対し(また、読者に対しても)いくらこれらを知ったところで人は変わらない、どれも「過去の成功書に書いてある」とばっさり言う。秘伝でも何でも無いのだと。なぜか。

・何もしないから
・実行に移さないから
・経験に向かわないから

自己啓発本の類が役に立たない本質が、この本のは書かれている。そう、結局は本人のマインドの問題なのだと、そこまで踏み込んでくる。

自己啓発本の類なんだろうけれど、ガネーシャと主人公のベタな漫才がどこか憎めない、どくどくな世界観も楽しい。
ウルトラマラソン マンウルトラマラソン マン
ディーン・カーナゼス

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-02-16
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”この男、いったいぜんたいどうしてここまで走るのか?”
読みながら、読み終えて、すごすぎるの一言が何度思い浮かんだか。

46時間ノンストップで320kmを1人で走り抜いたディーン・カーナゼスの半生+ドキュメンタリー。陸上をやっていた学生時代を経て、普通のビジネスマンになってそこそこの成功を収めているも、あるとき人生の物足りなさから走り始める。

足のツメがはがれ、フラフラになりながら100kmマラソンを完走するも、車に戻って嘔吐、痙攣する凄まじさを記す。だが、その後にはあっさりと翌年も完走したと記載。次は50℃のデスバレー190kmレース。食パンがトーストになる酷暑(熱?)、途中でリタイヤするもこれまた翌年リベンジで完走を果たすとある。更には-40℃の南極でのフルマラソン。

そして最後に320km駅伝レース。当然ながら他の参加者はチーム戦なのだが、チーム”ディーン”、即ち彼だけは1人で走る。道中の困難さや過酷さもさることながら、金曜日の夜に走り始めて日曜日にゴール、そして月曜日には普通に出社して仕事するという。そしておきまりのように、翌年、またそれ以降も同じように完走したと、さらっと書いてあるのだから・・・もう笑うしかない(実際、話の中にはユーモアも多い)。

余談ながら、つい最近ハワイで見られる事象として知った「グリーン・フラッシュ(緑の炎)」について記載があった。フォーズバーからラッキーチャッキー・リバークロッシングに至る、太平洋で拝めるらしい。
答えは、箱から逃げ出すこと答えは、箱から逃げ出すこと
キャメル・ヤマモト

日経BP社 2013-12-19
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文系四大卒など特徴のない人が、今後のグローバル社会をどう生きればいいのか。同じコンサル業界出身の著者による「英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?」のような話を想定していたのだが、予想をだいぶ異なった。

官僚からコンサルへ転身、活躍されてきた著者なのだが、本書はその体験談が多くあまり構造化されたストーリーではなかった。命題である”今後のグローバル社会をどう生きるか”に対しても、日常で周りの人間を無視して1人英語を使うなど、効果もKYな雰囲気になる懸念からもなかなかハードルが高そう。
米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方
L・デビッド・マルケ 花塚 恵

東洋経済新報社 2014-05-30
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落第状態だったロサンジェルス級原潜を、トップダウンの命令ではなく個々の主体性を重んじるという大凡軍隊には向かないと思われる手法で立て直した実話。

新たな艦に赴任した艦長が取り組んだのは、挨拶から始まり、主体性の重視や権限委譲、ミス防止ではなく理念の共有や技術の向上など、軍隊特有のものは一切なく、組織をリードするに当たって普遍的な事項ばかり。それもそのはず、コヴィー博士の「7つの習慣」や「Whyから始めよ!」等、著名なビジネス書を参考にしているのだから。リーダーだけでなく、担当者のレベルでも、どうプロアクティブに行動するかという点において参考になる。

できすぎと思える程の結果を残すわけだが、そこがまたサクセスストーリーの読み物として面白い。
仕事も家事も育児もうまくいく!  「働くパパ」の時間術仕事も家事も育児もうまくいく! 「働くパパ」の時間術
栗田 正行

日本実業出版社 2012-05-26
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家族だけでなく仕事や自己啓発など自身のことも含めてどうコントロールするか、本書はそんな問いに対する解の1つとなりうる。冒頭の”今、この本を手にしているあなたは、それだけで十分、すてきなパパです。だって、職場や家庭で忙しいにも関わらず、この本を読んでパパスキルを上げようとしているんですから。”からして、著者の人間性が垣間見える。教師という本職の通り、人(子供、生徒、そして想定される読者=パパ)の人生をよりよいものにしようとしているのだから。

内容は時間術に始まり、子育てのTipsやママとのコミュニケーションの重要性、自身の自己投資の必要性と方法など、幅広く含んでいる。そして書籍に至るまでに、種々のPDCAサイクルを回してきたのだろう、軽く書かれているものの、思慮深さを感じる。また、参考書籍や著者が利用するオーディオブック、お薦め文房具などアイテム類にも話は及び、肩肘張らずに楽しめる。
働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)
駒崎 弘樹

筑摩書房 2009-05
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病児保育などで活躍されているNPO法人フローレンスの代表・駒崎弘樹氏による、長時間労働の改善に関する提言。今流で言うところの、ワークライフバランス本。

氏自身が片時もメールから目を離さないような長時間労働を実施していたそうだが、とあるアメリカの研修を受講したことで長時間労働に対して疑問を呈するようになる。それ以降、無理矢理に定時退社を敢行し、家族や自分の時間を取り戻していく様を綴る。書きっぷりはかなり砕けていて、肩肘張らずに読める(人によっては、軽いと感じるかも知れない)。
覆す力 (小学館新書)覆す力 (小学館新書)
森内 俊之

小学館 2014-02-03
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将棋を最後にやったのは小学生の頃だろうか、その程度のレベルなので、失礼ながら森内俊之氏を存じ上げなかった。羽生善治氏の同期で、名人・竜王などいくつものタイトルを取得されている。そんな実力を持ちながらも、圧倒的な存在、羽生氏が居ながら、どう勝ち抜くか(生き残るか)、その思考力、執念には学ぶことが多い。

1局で体重が2~3kg減ることもあるという将棋(脳は、全消費エネルギーの2割を使う箇所なので、これ自体は驚くことではないが)、もちろん対局中の思考についても常人の及ばない世界なのだろう。だが、本書はそうした対局の話よりは、負けたときの気持ちの持ち方、日頃の学習など、総合的な戦略、人生論をひしひしと感じる。もちろん、将棋が好きというのも大きい。しかし、好きだけではうまくいかない時にどうするか。

少しショックだったのが、将棋の世界でも全盛期は若い20後半~30前半とのこと。加齢と共に、衰えが出てくると知り、同じように「脳」を職にするものとしては・・・。
仕事に活きる禅の言葉仕事に活きる禅の言葉
島津清彦

サンマーク出版 2013-09-02
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禅とビジネスの融合はスティーブ・ジョブズを始め、欧米でも注目されている。本書はそんな禅の魅力や本質を、自身の経験(主に失敗から学んだ内容)を基に語る。

禅の言葉を平易な言葉で解説し、さらに自身の体験談を具体例としてされるので非常に分かりやすい。正直、禅の意味するところはそうなのかと疑問に感じるところもあることはある。しかし、利己主義に走らず、人として大切なモノを見つめ直すヒントが多い。
君に友だちはいらない君に友だちはいらない
瀧本 哲史

講談社 2013-11-13
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タイトルは過激だが、要は同調する友達ではなく、映画「七人の侍」や漫画「ワンピース」のように個々の力を寄せ合ってチームを編成する仲間が重要とのこと。

背景としては、グローバル化を掲げているが、それと共に知的産業の割合が増加したことも理由にある。即ち、肉体労働的な作業においては規模と強調性が比例的に生産性へ直結したのに対し、知的産業では異なった能力の組み合わせ次第で何十倍・何百倍もの価値あるイノベーションを生む。個々はそれぞれがリーダーシップを取る、余人に代えがたい存在になる必要であることを訴える。

煽るタイトルとは対照的に、至極まっとうな内容。これから社会にでる人はもちろん、今後を考える上で是非読んでおきたい1冊。
考える力 (イノベーションクラブBook)考える力 (イノベーションクラブBook)
イノベーションクラブ

ダイヤモンド社 2009-10-17
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「考える力」をつけるために、企業の研修として実施されている内容を書籍化したもの。そもそも「考える」とは何か、その定義に始まり、実際に「考える」ための問題を多々用意する。「考える」ための手段として”考えるクセをつける”、”なぜなぜ”や”3つにまとめる”など、実際に実施するための訓練シートも用意されている。

初歩向きだけありかなり簡易に書かれているが、研修の評価が高いと言うだけあり、なかなか身につく。子供の教育にも向いていると感じる。
伝わる書き方伝わる書き方
三谷宏治

PHP研究所 2013-11-09
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三谷氏の”伝える・・・”シリーズ(と言うのか?、末尾参照)、書き方編。伝わるための3つの戦略として、
・短く書く
・構造化する
・波をつくる
をあげてそれぞれ型やチップスを具体例とともに解説する。所々、他のフレームワーク(例えばPDCAやVisible Thinkingなど)や、ネタ的な話を織り込み、飽きさせない。

一方、書かれていることは他の”伝える・・・”と同様の事も多く、どれかを読んでいる人にとってはポイント・ポイントを抽出して読むことが可能。

※三谷氏の”伝える・・・”シリーズの本
親と子の「伝える技術」
一瞬で大切なことを伝える技術
コンサル一年目が学ぶことコンサル一年目が学ぶこと
大石哲之

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-07-30
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社会人1年目に学んで今でも役立っていることを、コンサルを卒業後も各界で活躍する人々へインタビューし、その結果から普遍的なスキルを定義する。1年目はもとより、コンサル業界以外の社会人にとっても、役に立つことが多いのではないだろうか。

議事録の書き方、質問には言い訳や解釈の前にまず聞かれたことを答える・・・などの基礎的な事柄は他でも多く書かれているので、ここでは特に、コンサルが重視する点から気になった点を記したい。

・数字というファクトで語る
コンサルは若手でも、企業の経営層などベテランと会話することが多い。それができるのはなぜか、の答えが上記である。経験も知識もない中、事実だけは動かせない。また、世界共通の言語は事実(数字)である。2カ国程度であればお互いの文化を共有することもできるが、複数になってそれをやっていたら仕事にならない。なので、事実(数字)を追求し、事実(ファクト)で語る。

・空雨傘提案の基本
空雨傘ご存じない方は、ググってみてください。ある程度の経験を持っている方でも、いずれかが欠けていたり、ごちゃ混ぜの方も多い。

・考え方を考える

一般的には走りながら考えるという方法が多いと思うが、コンサルではまず「アプローチ」「考え方」「段取り」を最初に考える。遠回りに見えるが、結果、効率的になる。

上記はほんの一例だが、どれもコンサルの仕事の本質を、分かりやすく解説している。お薦めの1冊。
「日本史」の終わり  変わる世界、変われない日本人「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人
池田 信夫 與那覇 潤

PHP研究所 2012-09-19
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日本は西洋化によって近代化を成し遂げたと考えられるが、本書によると”日本は西洋化ではなく、中国化している。”という。形上は三権分立とあるが、実質は官僚機構が権力を握る人治政治であるというのがその根拠。

池田信夫氏と與那覇 潤氏の対談形式で書かれているのだが、西洋や中国との文化の違いからDNAとして刻まれているかのような日本人としての考え方を浮き彫りにする。
池田氏の主張は『「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか』と同じなので、ここでは異なる視点に注目したい。

それは、人類としての謎、宗教。ほとんど実用的な要素のないものに膨大なエネルギーが費やされるのはなぜか。本書が引用するニコラス・ウェイド「宗教を生み出す本能」によれば、戦争に備えるための心的メカニズムだと言う。(P.38)
明治政府が国をまとめるために天皇制を掲げ、靖国神社をはじめ国家宗教として突貫工事的に拵えたのは、実に理にかなっていると納得した。
政治をあきらめない理由――民主主義で世の中を変えるいくつかの方法政治をあきらめない理由――民主主義で世の中を変えるいくつかの方法
ジェリー・ストーカー 山口 二郎

岩波書店 2013-03-27
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ポピュリズムの台頭、投票率の低下など政治に対する無関心など、民主政治に対する幻滅が言われて久しい。これは日本など特定の国だけではなく、民主主義国家で共通する現象だという。本書は民主主義の問題を追求し、政治の再生を提言する。

そもそも、政治とは利害の一致しない人同士をまとめ、強制するものである。経済が成長している時代、国家共通の目的(戦時中など)がある場合をのぞき、少なかれ多かれ人々に不満があって当然である。その上でどうすべきか。私は、アリストテレスの言葉「政治の形態は、専制君主制と、寡頭制(少ない数の集団指導制)、デモクラシーの三つ。それぞれいいようで欠点がある。続けていくと最後には危機に陥る」が思い出したが、著者は代表制の改革や市民参加の新しい仕組みなどを提案し、あくまでも民主政治の再生を訴える。

これからの民主政治を考えさせられる1冊である。
人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)
山田 風太郎

徳間書店 2011-11-02
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古今東西、著名人の死に様を纏めたマニアックな本。全4巻で、本巻では10代~40代で亡くなった方を納めている。

アンネ、ジャンヌダルク、ジェームス・ディーン、キリスト、坂本龍馬、アレキサンダー大王、マリリン・モンロー、ガガーリン、モーツァルト、太宰治、芥川龍之介、ジョン・レノン、プレスリー、ケネディ、聖徳太子、織田信長などなど。

自分の年齢で亡くなった人を見て、自分より若くなくなった人を見て、感慨深くなると共に、いくつまで生きるかよりは何をしてどう死ぬかが人生であることを痛感させられる。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
岸見 一郎

ベストセラーズ 1999-09
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今、ホットなアドラー。本書はアドラーの経歴や著作など人物像、アドラー心理学の理論や育児・教育論(アドラーはパーソナリティだけでなく、子供の教育についても深く研究している)など、入門書とありながらアドラーについて一通りの知識を得られる。「嫌われる勇気」のように興味そそらるようにエッセンスを抽出した本もマーケティング的にはありだと思うが、そのような本だけでは本質を得られないと感じた。

例えば「嫌われる勇気」では”他人の課題”を説明し、他人を気にしない自立の必要性を諭す。一方で、アドラーは他者貢献や他人への信頼について言及しており、決して個々が独立して生きていけるわけではなく、他人と関わらなければ生きていないことを言っている---「嫌われる勇気」だけを読んだ人の感想は、他人と境界を作るべきと捉えた人が多かったので、気になっている。

ルポ 介護独身 (新潮新書)ルポ 介護独身 (新潮新書)
山村 基毅

新潮社 2014-06-16
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ある日、突然やってくる”介護”の現実。そこには同じ大変であっても、子育てとは違った、悲惨の現場が多い。本書ではさらに、孤立しやすい独身者による介護にスポットを当てている。

様々なケースの介護の現場を紹介しており、その重いリアルに、介護を経験してい者としては今まで考えたこともない、あるいは浅はかだったと痛感させられる点多々。当然ながら介護する・される側それぞれの事情や生活があり、単純に介護と言っても千差万別であり、本書を読んだからといって解決策がすんなり出るものではないのは事実だが、迫られていない時にこそ、読んで考えておくべきと感じる。

本書は独身者が介護をする場合の孤立を主題にしているが、孤立という意味では夫婦間の介護でも、あるいは家族から押しつけられている場合などでも発生し、必ずしも独身者に限らないのではないかと感じた。むしろ、独身者が介護される側に回ってからの方が切実なのでは?
5歳までに決まる!才能をグングン引き出す脳の鍛え方・育て方5歳までに決まる!才能をグングン引き出す脳の鍛え方・育て方
成田奈緒子

すばる舎 2010-05-20
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専門家の著者が言うことなので、いろいろ参考になることが書いてあるように感じるが・・・いくつか書かれていることに疑わしい点、誤りがあり、このまま読んで信じていたら、イソップ童話の"ろばを売りに行く親子"になると感じた。

例えば、”「残しちゃダメ」で摂食障害になることも!?”と言って残すことを母親に怒られ食事が恐怖となった子供の例を紹介しているが、それがどれだけ発生していることなのか、そもそも因果関係を考慮しているのか。偏食を是とする主張には、大いに疑問が残る。

そしてもう1点、早寝の根拠として"成長ホルモンの分泌は夜11時頃から午前2時頃にかけてみられますが(略)”としているが、これは典型的な都市伝説である。そもそも成長ホルモンは1950年代に高橋康郎氏が発見したもので、成長ホルモンの分泌は決まった時刻ではなく寝入ってからの時間が影響するという報告をしているのだが、その中で寝入った時刻が遅かったときに通常よりも成長ホルモンの分泌が少なかったため、(有意な差がないにもかかわらず)特定の時刻に分泌すると後生の人間が解釈して、広まっていったものである。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC297368/

これらから、著者はどこまで専門家としての知識があるのが、正直疑わしい。


君と会えたから・・・君と会えたから・・・
喜多川 泰

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2006-07-10
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amazonのレビューでも人気を誇る喜多川 泰氏の著書。テーマである人生をポジティブにする方法を、爽やかでほろ苦い恋愛ストーリーを通して紹介する。

人生を前向きにする考え方・やり方は、やりたいことリストに始まり、他人のためにするリスト、お金の考え方をありがとうの関係として捉えるなど、中には目から鱗のようなものまであり、これだけで読む価値ある。しかしながら、ストーリーもテンポ良く進み、最後には意外な展開になるなど、決しておまけではない。
信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム
山岸 俊男

東京大学出版会 1998-05-15
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"日本人よりもアメリカ人の方が、見知らぬ第三者を信頼する。”

直感的には真逆のように感じるが、本書ではこの命題を、そもそも「信頼」の定義に始まり、種々の実験で証明する。

日本では村のように、グループ内では暗黙のルールがあり連帯しているが、一歩外へ出ると赤の他人には厳しいとあり、納得。
また面白かったのは、相手を信頼する度合いと、信頼度を測る情報の処理能力は別物という点。つまり、信頼しやすい人が騙されやすいわけではなく、情報を把握・処理して信頼度を測る能力が低い人が、騙されやすいとのこと。

本日の1冊: 成功の実現

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成功の実現成功の実現
中村 天風

日本経営合理化協会出版局 1988-09
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東郷平八郎氏や原敬元首相、松下幸之助氏や稲盛和夫氏など影響を受けた人は数知れず。そして1万円という本の価格から、恐る恐る手に取ってみると・・・ちょっとおとぼけた語り口調に、少しがくっとくる。テープに起こされたのをベースに書き下ろしたからなのだろう。

肝心の内容は、”心の置き方で、考え方で人生が変わる”ことを伝える。ありきたりな内容であるが、不思議と1つ1つの言葉がスゥーと体に染み渡る。呼吸を整える、良いことも悪いこともプレゼントと捉える、事象について必要以上にネガティブな思考をしないなどを、冒頭の通りどこかおどけた語り口調で諭す。

自分自身、動じたり悩んだりすることは少ないと思っていたが、それでもこの本を読むと心が乱れていることに気付かされる。
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
門田 隆将

PHP研究所 2012-11-24
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3.11で1F(福島第一原発)で何が起きていたのか。電源喪失した原発に対して、現場に残り必死の冷却やベントなど原子炉をコントロールしようとし続けた、吉田所長・当直長らをはじめ東電の社員、協力会社や消防隊、自衛隊など関係者の活動を記録する。曰く付きの管元首相の来訪、本社との意見齟齬など、現場の対応だけで大変な中、外部に翻弄された様がありありと描画されている。

三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」
ジョビー・ウォリック 黒原 敏行

太田出版 2012-11-22
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2009年12月30日、アフガニスタン東部の町ホーストにあるチャップマン前哨基地で自爆テロが起き、CIA局員七人を含む九人が死亡し、六人が重傷を負う大惨事の真相。

衝撃的な結論から始まり、物語は1年前に遡って進んでいく。なぜ狂信的な考えの持ち主だった人間を、CIAは一度も会ったことがない人間を、いとも簡単に信用してしまったのか。事件の真相に迫る過程もさることながら、ビンラディンが見つからない焦りや、都合の悪い情報をシャットアウトする固定観念など、普遍的な失敗の本質を考察している。
ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)
矢野 久美子

中央公論新社 2014-03-24
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「人間の条件」などの著作の他、アイヒマン裁判を題材にした話が映画化され、日本でも知名度が上がっているハンナ・アーレント。考えないことの罪を追求した、哲学者・思想家の伝記。

自身もユダヤ人(WWⅡでアメリカへ移住したドイツ人)でありながら、元ナチのアイヒマン裁判について、一役人と評したアーレント。ナチの罪を軽視すると、ユダヤ社会らからは猛烈な批判を浴び、また多くのユダヤ人の友人を失いながらも考え通し、自身の思想を貫く姿は圧巻。人そのものではなく、思考停止し大勢に流される「考えないこと」自体を糾弾する点は、物事の悪を犯人捜しで終始しやすい人間の弱さを認識させられる。
フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
有川 浩

幻冬舎 2009-08
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いちゃもんのようだが、これは「フリーター、家を買う。」ではなく「元・フリーター、家を買う。」ではないか。

就職してすぐに会社をやめ、その後はアルバイトを転々とするも、母親の病気を契機に奮起し、自分を、家族を取り戻していくとともに、会社でも中心として活躍していくサクセスストーリー。お題の通り家を買うのも(母親の病気のためにという目的だが)その過程の1つであり、メインにはならない。興奮も、意外性も少なかった。
英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?~就職活動、仕事選び、強みを作る処方箋英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?~就職活動、仕事選び、強みを作る処方箋
大石哲之

tyk publishing 2013-09-30
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煽るようなタイトルだが、中身は就活について深い考察を記す、至ってまっとうな1冊。

会社名こそ変われど、安定やネームバリューを求め大企業に殺到するのは今も昔も変わらず。30年後を考えそれが本当にベストなのか、そもそも人生を一企業に預ける時代ではなくなったことから、タイトルにあるとおりスキルのない、所謂体育会系の文系は求められなくなっている。では、そうした人達はどうすればいいのか?そのヒントが、この本の内容にある。

ただし、著者も言うとおり、答えそのものを求めている人には適さない。海外就職などの例も提示するが、それらはあくまでも例の1つであって、その通りにやっても多くの人が悲惨な結果に終わるだろう。しかしながら、まずは英語力を短期間であげ、その方法については提示している。あとは世界を見つめ、考え、行動してするのは本人である。繰り返しになるが、きっかけとしてのヒントは満載。
自分をみつめる禅問答 (角川ソフィア文庫)自分をみつめる禅問答 (角川ソフィア文庫)
南 直哉

角川学芸出版 2011-12-22
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禅僧と一般人の対話、所謂「禅問答」を通して仏教(禅宗)の教えを解説する。

"仏教は教え自体が「問い」でもある”(P.236)とあるとおり、禅僧の一方向の教義だけではなく、読む者に考えることを求める。時には禅僧と一般人の立場が代わっているようにも見え、気付けば対話の中に入り込んでいるような錯覚を覚える。

読み解くと、いかに個を他との関係から見つめるかという、アドラーと同じ考えに落ち着く。
・自分が自分ではない何かとの関係から作られることを「縁起」という、仏教の最重要教説だ。(P.146)
・自分ではない何かを「非己」と呼び、「非己」を受容して関係を編み出していく運動様式こそが「自己」なのだ(P.147)
ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)
池井戸 潤

講談社 2014-03-14
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タイトルの「ルーズヴェルト・ゲーム」とは、野球好きのルーズヴェルト大統領が最も面白いと言ったスコア「8対7」の試合から来ているという。

物語は大きく分けて、業績不振にあえぎ敵対買収の危機に陥った中堅エレクトロニクス企業と、その企業の野球部の2本に分かれる。ピンチが複数あり、一癖も二癖もある登場人物ばかり、どんでん返しのどんでん返し・・・池井戸潤氏のお得意の流れはここも健在。

おもしろい。のだが、何か物足りない。半沢があまりに傑作だったからか、池井戸潤氏の展開に慣れてしまったのか、なんにせよ興奮が今ひとつだった。特に野球というルールが明確な土俵では、池井戸氏の十八番である”化かし合い”が出せないと感じた。
10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える、僕達の仕事のゆくえ10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える、僕達の仕事のゆくえ
松井博 大石哲之

tyk publishing 2014-01-05
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アップル本社で働いていた松本氏と、アクセンチュアを経てベトナムでフリーで働く大石氏の2人による対談形式でグローバルの仕事状況、そして近未来の働き方を予測し、如何に備えるべきかヒントを与えてくれる。

経験・知見豊富な両氏だけあり、話のテンポ・切れよく、Kindle本としてページ数(と言うのが適切かはさておき)もコンパクトなためさらっと読める。
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
山口 周

東洋経済新報社 2012-10-19
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プレゼンのスライド、所謂PowerPoint作成に必要な知識を、1スライド・1メッセージといった基礎的なお作法から、情報の取捨選択基準となるフレームワークなどコンサルらしいレベルまで学べる。最後には実際に改善案を検討する問題が収録されていて、(多くの人がそうであろう)読んでわかった気になるだけでなく、実際に使えるように頭を使うところまであるのが良い。

とても残念だったのが、Kindle版だけかわからないが、誤植が散見された。
ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)
ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)原田 曜平

幻冬舎 2014-01-30
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草食化した現代のヤンキー(もはやヤンキーという言葉を使うのが適切かという疑問もあるのだが)、マイルドヤンキーの生態を追った1冊。著者によると、マイルドヤンキーは地元という狭い範囲で生活し、自己顕示欲よりも仲間と楽しく過ごすことを重視し、欲はないがそこそこ裕福だったり、貧しくても悲壮感はないという特徴を持っているという。彼・彼女らはミニバンを望みつつも軽自動車が多く、イオンが娯楽・ショッピングの中心、そして遠出らしい遠出としてディズニーランドというパターン化した中で消費を繰り返す。そして最後は、著者の専門分野らしく、そんなマイルドヤンキーをターゲットにしたマーケティングが世の中欠落していることを指摘、具体的なアイデアを出す。

新たな切り口やマイルドヤンキー向けビジネスの提言など面白いのだが、統計的な情報がないため母数が不明、提言されるアイデアのロジックが不明確でJust ideaの粋を出ないなど、若干、消化不良だった。
本当にあった 奇跡のサバイバル60本当にあった 奇跡のサバイバル60
タイムズ ナショナル ジオグラフィック

日経ナショナルジオグラフィック社 2013-12-18
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9.11やハドソン川の奇跡、アポロ13号など有名処から、マイナーながらびっくりするような話まで、サバイバル(登場人物全員が助かるわけではないが)の60話が掲載。どれも写真や事象の発生経過を記した地図と共に2~3ページ程度で1話が構成されており、読みやすい。

グランドキャニオンで1人岩に挟まれ、自らの腕を切り落として生還した青年の話。南太平洋で漂流し、くじ引きで食料となる人を決める逸話など、まさに”事実は小説より奇なり”のオンパレード。地図や写真も想像をかき立て、時間を忘れて読みふけってしまう。

余談ながら、先日読了した「世界の特殊部隊作戦史1970-2011」に出ていたシールズによる海賊からマークス・アラバマ号の奪還作戦についても掲載していた。本との出会いは一期一会というが、こういう奇遇・偶然が面白い。
罫線売買航海術―スキャルピングからポジショントレードまでの攻略テクニック (ウィザードブックシリーズ)罫線売買航海術―スキャルピングからポジショントレードまでの攻略テクニック (ウィザードブックシリーズ)
オリバー・ベレス ポール・ラング 関本博英

パンローリング 2008-06-13
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チャートパターン、テクニカル分析から心理面まで、普遍的なトレーディング・スキルが詰まっているのだが、、、残念ながら時間なく熟読できず、詳細な批評できず。
過去の例(USのStockだが)を多数掲載・分析していて、有用なのは間違いない。時間あれば再読したい。
アドラー 人生を生き抜く心理学 (NHKブックス)アドラー 人生を生き抜く心理学 (NHKブックス)
岸見 一郎

日本放送出版協会 2010-04
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アドラー心理学を、彼の生い立ちや置かれた環境とともに解説する。「嫌われる勇気」の後だと、単に個人主義というよりも、むしろ他者との関わり合い、アドラーの言葉で言うところの”共同体感覚”に重きを置かれていると感じる。

アドラーの著作から引用するところが多いのだが、「子どもの教育」の多用からもわかる通り、アドラーが子どもに対する教育に深い考察をもっていた点も興味深い。
例えば、兄弟順位による個性の違いの解説や、叱ることや褒めることの弊害と勇気づけの必要性は、疑問点はあるものの、納得したり、斬新だった

また、「嫌われる勇気」では他者の評価を気にしない、他者の問題を解決しないという個の重要性を感じてすっきりした分、こちらでは無償の愛的な奉仕が強調され、矛盾と感じる両者の融合に頭を使わされる。

もっとも、個の置き方や他者との関わり合い、人生を考える上で、本書は適切な1冊であることに変わりはない。
靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)
小島 毅

筑摩書房 2007-04
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靖国の何が問題か。本書を読むと・・・やはりわからない、というのが正直なところ。そもそも賛成派・反対派で論点がずれているのだが、存在そのものが矛盾しており、天皇の私社の粋を出ないので、少なくとも国家の元首が参拝するのは説得力ないと感じる。

「国体(国体)」という思想、「英霊」という概念、そして「維新」という史実と中心に靖国を解説するが、本書でも言うとおり、靖国は矛盾であるという結論に変わりなかった。「維新」という名のテロリストを奉り、以後は勝てば官軍として強者の施設であった。が、太平洋戦争で負けたが、そこで位置づけが変わっている。
戦略思考トレーニング (日経文庫)戦略思考トレーニング (日経文庫)
鈴木 貴博

日本経済新聞出版社 2014-04-16
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今昔東西のビジネスアイデアを50問掲載する。”戦略思考”というが、問→解答で簡潔に書かれているので、でケーススタディとしてではなく、豆知識としても面白い。
※以下、ネタバレあり

掲載されている内容は、有名な内容も多く、人によっては”思考”までいかないものも多いだろう。
E.g.
・問16:CDが売れない時代になぜAKB48は大量のCDが売れるのか→握手券や投票券があるため
・問22:リコール費用よりも事故の損害賠償の方が安くすむのでリコールしなかった企業→懲罰的賠償金)。

一方、答えを知らない問題は、いろいろ考えさせられ、面白かった。
E.g.
・問3:2階建て新幹線で、1階はコンクリート壁のため外の景色が見られない不公平の解決策→2Fはリクライニングできなくすることで、観光客とビジネス客の住み分けができる
・問28:グルメガイドのミシュランは南フランスに高評価が多い→ドライブを増やし、タイヤを消耗させるため
・コラムP.79:アメリカのアウトレットはダウンタウンから60分の距離にある→GUCCIやアルマーニを買う本来の顧客層は高所得者で1時間に$100稼ぐので、往復の機会損失は$200となり、既存顧客を奪わない
全身がん政治家全身がん政治家
与謝野 馨 青木 直美

文藝春秋 2012-06-22
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こんなにすごい人だったのか。これを読んでの、素直な感想である。

与謝野氏は、39歳の初告知から35年間で4つのガン、3度の再発を経験しつつも、閣僚など政治家として要職をこなしてきたという。中でも圧巻は、平成21年8月の麻生内閣解散に伴う選挙。全身麻酔の手術から1日も経たず、点滴のまま選挙カーで演説をしていたという。並大抵の気力、信念でなければなしえないだろう。

ガンの闘病記としても、客観的に病気を見つめ、医師を信頼し、腹をくくる態度は、敬服に値する。35年間も戦っているだけあり、ガンは39歳の初告知の時代はガン=死だったが、今では直る病気という言葉に重みを感じる。

以下、備忘録まで。
古代ギリシアの哲学者・アリストテレスの思想の中に、いい文章があります。
「政治の形態は、専制君主制と、寡頭制(少ない数の集団指導制)、デモクラシーの三つ。それぞれいいようで欠点がある。続けていくと最後には危機に陥る」と。
 たとえば、デモクラシーを続けると、民衆の言うことばかり聞くようになります。(P.195~)
経済学は人びとを幸福にできるか経済学は人びとを幸福にできるか
宇沢 弘文

東洋経済新報社 2013-10-25
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経済学というが、内容はほとんど歴史や思想に関するものが多く、哲学に近い。ベトナム戦争や環境破壊など、激動の時代において負の側面を多く見てきたからであろう、自然環境や子どもの成長を社会的共通資本と捉え、歴史も踏まえたマクロの視点に心の深さが感じられる。反面、21世紀の現代において、解となるヒントが見あたらなかった。例えば、化石資源に対する竹の偉大さを述べていたりするが(P.187)、エネルギーの観点では全く代替しえないので、論点が見えない。また、各エッセイを集めてきたからであろう、同じ内容が繰り返されていたり、読む者にとって話が見えにくいのもきになった。
改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める
尾山大輔 安田洋祐

日本評論社 2013-03-19
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コンソル債(永久債)の割引現在価値は、ラーメン1日あたりの需要関数はD(p)=400-1/2×p(ただし0≦p≦800)とすると利潤を最大化するために1杯の値段をいくらにすべきか、などなどいろいろな例題に対し、解法・解説が続く。興味深いが、テイラー展開など、明らかに高校数学を超えるものもあり、久しく数学と疎遠な身としては・・・ちと辛い。
世界の特殊部隊作戦史1970-2011世界の特殊部隊作戦史1970-2011
ナイジェル カウソーン 友清 仁 Nigel Cawthorne

原書房 2012-12-07
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文字通り1970年から2011年オサマビンラディン暗殺まで、主に米英特殊部隊の作戦を31収録する。中には映画化された「ブラックホーク・ダウン」や、本「アフガン、たった一人の生還」になっている話なども含まれていて、1つ1つは短いものの、内容は濃い。

とても残念なのが、飛行機の名前や単位など、誤りが多い。かなりの頻度で遭遇するため、読む者の腰を折る。
飛行機技術の歴史飛行機技術の歴史
Jr.,ジョン・D. アンダーソン Jr.,John D. Anderson

京都大学学術出版会 2013-12-18
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ライト兄弟からジェット機まで、飛行機技術の歴史が凝縮されている1冊。少々効果だが、イラストや写真も多用されていて、専門の知識がなくても興味あれば十分堪能できる。

飛行機にロマンを感じる人なら、間違いなくお薦め。
論文捏造 (中公新書ラクレ)論文捏造 (中公新書ラクレ)
村松 秀

中央公論新社 2006-09
売り上げランキング : 744

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ネイチャーやサイエンスに数多の論文を出し、ノーベル賞まで有力視されていたベル研究所のシェーン。本書ではその捏造があばかれていく過程だけでなく、なぜ科学誌や論文の共同著者、ベル研究所誰しも見逃してきたかを考察する。

今読むと、昨今騒がれているSTAP細胞の小保方氏問題と非常に似通っていることにハッとさせられる。

・本人以外、誰も追試に成功せず、「神の手」とまで言われる。
・上司含め、だれも実験結果(サンプル)を確認していない。
・実験ノートがない(ベルでは、内規で実験ノートをつけ、かつ外部持ち出しを禁止していたためこれだけで就業違反。ここの厳しさは理研と異なる)。
・シェーンは「(取り違えと主張する)いくつかのミスを犯した」、「私はこれらすべてのデータをたしかに測定した。これらは本当に起きたことなのだ」と主張。


本書では科学者の捏造に関して深い考察をしているが、今回のSTAP問題にほとんど活かされていないし、またはこうした過去の事情を知らずに論点のずれた意見している人が多いことがわかる。
例えばシェーンに対する調査では逃げ道を作らせないよう調べぬいて本人との面接に挑んでいるのに対し、STAP問題に対する理研の対応はそこまで至っていない。
また、STAP細胞は本当にあるかもしれないということで捏造問題を無視、または擁護する主張。普通に考えれば、STAP細胞の有無と捏造は別問題なはずだ。

シェーンは本人のアイデアを、いつか他の科学者が追試で成功させると信じていたのではないかと本書では言っているが、STAPの小保方氏も同じように思える。

マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密
ダフ・マクドナルド 日暮 雅通

ダイヤモンド社 2013-09-21
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マッキンゼーの設立から今日まで、成長や変遷の経緯を時のMD(マネージングディレクター)を中心に纏めている。”秘密”という日本の副題から実際の案件の詳細や裏話を期待させられるが、どちらかというと歴史的な話なので原題の”Story”の方が近い。また、大前研一氏についてもマッキンゼーとしての評価が詳しい。

100年単位でマッキンゼーの歴史を知ることで、経営の複雑さを考えさせられる。即ち、昔はクライアントの業績を躍進させていたものの、今では必ずしもそうなっていない。ではなぜ、企業はマッキンゼーを雇うのか---フォーチュントップ100の2/3がマッキンゼーのクライアントだという。本書ではその解が、マッキンゼーを雇うことがステータスであり企業のブランドイメージであるという。だからこそ、BCGやアクセンチュアなどと違い高額フィーを維持し続けているのだろう。

最後には、ITに乗り遅れ苦戦を強いられていること、クライアントのためになっているのか疑問を呈して終わる。
単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)
池谷 裕二

講談社 2013-09-05
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自分の意志はどこまで自由か。本書では高校生への講義という形で、脳の様々な仕組みを解説する。

物事を判断する前に脳は決断している、好みは操作される、がんばれと応援されることで握力測定の値は上がる、などなど、意志とは無関係に記憶や体の反応が変化することを示されると、そもそも自分の言動はどこまで自らの意志によるものか、懐疑的になる。

全体的にユーモラスに書かれており、興味本位で読んでも楽しめる。
10年後、金持ちになる人 貧乏になる人10年後、金持ちになる人 貧乏になる人
田口 智隆

廣済堂出版 2013-02-19
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お金の使い方を消費・浪費・投資で考える、新しい物を買う前に今ある物を捨てられるか自問する、誘われて飲むのではなく誘って飲め、などお金の使い方で参考になる点は多い。

一方、個々の中身にはいると表層的と感じてしまう点もあった。例えばファーストフードとオーガニックのコーヒーと野菜サンドイッチを比較している場面で、前者は単に「消費」だが後者を選ぶ人が健康を考えているのでそのお金の使い方は「投資」としているところ。世間一般でオーガニックは言葉で釣っているだけということから実はオーガニックが害ということもあるので、そう短絡的に結論づけるのは疑問。